痛風は生活習慣病であり、大変な激痛を伴い、若い人にも起こり得る病気です。贅沢病といわれる事がありますが、それはお金持ちが贅沢に食事をして痛風にかかった事実からの由縁で名前がつきました。現に、明治以降、さらに第二次大戦後に急激に痛風が増えたとデーターがあります。裕福になり、動物性蛋白質摂取の増加した事が影響しているのだと思われます。ちなみに肉食を主とする欧米人に多く、古代から痛風の記録があります。
結晶物の尿酸はプリン体と呼ばれているもので、一番多く含まれているのは核酸であるDNA、 RNAと呼ばれる遺伝子です。次にATPと呼ばれる人間すべてのエネルギーを製造しているエネルギー細胞です。肉などを食べると細胞が胃の中で壊れ、ATP、DNA、RNAが体内に吸収され尿酸になります。通常は体内からできる尿酸は腎臓から排出されるのですが、その尿酸の量が増えれば、血中濃度が増えて体内に溜まり痛風化します。面白いことに、他の動物にはウリカーゼという遺伝子から生まれる尿酸を分解する酵素を持っています。ですから、痛風はおそらく人間のみの病気でしょう。
尿酸を上げる原因に
- 大食いで肥満体、プリン体を含む食事が多い、アルコールの飲みすぎ
- 遺伝的なもの
- 激しい運動/ストレス等の多い人
- 腎臓の弱っている人
- 薬の影響
などが挙げられます。 痛風が起きてしまった時の対処法としては
- 足の専門医、整形外科医ないし理字療法専門医に痛みを取ってもらう。(直ちに痛みと腫れが引きます)
- 内科医に原因の追究と根本治療をしてもらう。
などが理想的であるといえるでしょう。 しかし、よく痛風だと医師が誤診することがあるので気をつけなくてはいけません。よく誤診される事がある症状は、
- 外反母趾による嚢胞炎/骨性関節炎の痛み
- 親指のつけ根の感染症(赤く腫れ痛い)
- セサモイド骨炎の痛み(丁度つけ根の下にある2つの丸い骨、足で地上を蹴る役目)
- リウマチの痛み
などが挙げられます。
さて、痛風に深く関係のある食生活ですが、その適量は個々人に差があり、まずは一日の標準カロリーを目標とすることです。ちなみに、プリン体は水溶体で、食品を調理中に水に浸すとプリン体を減らすことができます。水につけて調理をすることが勧められるプリン体が多い食品は以下の通りです。
プリン体(核酸)の多い食品 (100g中)
- アンキモ・・・400mg
- 白子・・・300mg
- 肉レバー・・・110mg
- 牛肉・・・42mg
- ぶた・・・40mg
- カツオ・・・80mg
- エビ・・・80mg
- アジ・・・ 60mg
しかし、食生活をそれほど重要視してプリン体を含んだ食事を減らしても、それ程尿酸値が下る訳ではありません。ですから、痛風があるからといって、プリン体を含んだ食品を全く食べてはいけないという事ではありません。その量が大切なのです。
アルコールと痛風の関係を見てみましょう。アルコールを飲むと次の日に痛風が出る事がありますが、それはアルコールを摂取すると体内で多くの尿酸が作られることと、アルコールにはプリン体が多く含まれていることが考えられます。しかし、同じ量のアルコールを飲んでも、尿酸に個人差ができるのは、アルコールを分解するホルムアルデヒド脱水酵素の働きが人によって違うからです。アルコールのプリン体の含有は種類において差があります。多い順にビール、日本酒、ワイン、ウイスキー、ブランデー、焼酎などが挙げられるでしょう。 まとめとして、痛風に関しての食事法で大切な事は、アルカリ化した尿は結石を溶かしてくれるので、尿をアルカリ化する傾向の食事を取り、腎結石(尿酸結石)を防ぐことです。そうする為には、野菜や海藻を多く取るとよいでしょう。又、医師に相談の上、適した薬を処方してもらうこともできます。
痛風は、遺伝的なものを除いて、生活背景が強く影響しています。先程触れたように歴史の流れや文化背景が変わるにつれ、痛風の現状も変わってくるのです。こう考えると、病気はただ突然何事もなくやってくるわけではなく、自分のいる場所や時代や財政状況、生活背景にも関係しているという事です。
回答;橘 英俊先生(日本クリニック/ニューヨーク) 212-575-8910 |