ご質問の内容にいくつかの症状が含まれていて、残念ながら、お手紙の文面だけからは、正確に判断する事は難しいように思います。「中学生の時、脇の下を剃ったあとの傷から、細菌が侵入し、リンパ節炎(リンパ腺の腫れ)を起こしたこと」 「最近同じように脇の下にしこりがあり、痛いこと」「悪性の心配があるかどうか」の三点に要約されると思います。本題に入る前に、まず人間の「リンパ系組織」について簡単に説明します。リンパ系組織は、血管と同じように全身に張り巡らされたリンパ管とリンパ管をつなぐ「リンパ節」という豆のような形をした器官で成り立っています。 リンパ節は全身に分布しており、リンパ管に入って来た異物などを取り除くフィルターの役割と、リンパ管の中を流れるリンパ球を増やす役割をしています。 「リンパ球」は「白血球」の一種です。リンパ球はほかの白血球と同じく血液中を流れていますが、実は、全身に流れている「リンパ管」の中にも流れています。リンパ球は体外から侵入した病原体や異物から、体を防御する働きがあります。そのため、リンパ節は、細菌やウィルスなどの感染によって急性あるいは慢性の炎症を起こします。
あなたが、中学生のとき起こしたリンパ節の腫れは、脇の皮膚から細菌感染を起こし、息切れ感染病巣に関係した局所のリンパ節腫張ではないかと思われます。細菌感染によるリンパ節の腫れは、柔らかく、痛み(自発痛と圧痛)があり、表面の皮膚は赤色調になることがあり、周りは腫れ(浮腫状)を示し、病変が進行すれば、化膿することもあります。抗生物質の服用が治療の中心となります。
さて現在の症状が「中学生の時の症状」と関係があるのか、「リンパ節の腫れ」なのかはっきりしません。生理時に痛む、あるいは圧痛があるということですので、抵抗力の落ちているときに、再び何らかの感染を起こしているのかもしれません。現在あなたは「悪性リンパ腫」を心配されていますが、「悪性リンパ腫」とは、リンパ球がガン化する病気です。ガン化した細胞が、リンパ節の中で異常に増え続けます。初期に現れる症状としてあげられるのが、リンパ節の腫れです。リンパ節は全身に分布していますが、首、脇の下、足の付け根など、皮膚に近い所にある、「表在リンパ節」の腫れから病気に気付くケースが多くなっています。
しかし胸部や腹部など、体の奥にあるリンパ節が腫れた場合、異常に気付かず、知らないうちに病気が進んでしまうことも少なくありません。普通は、リンパ節が腫れても痛みは伴いません。最初は小さいしこり程度ですが、病気が進むにつれて、次第に大きくなります。また、腫れは一つに限らず、いくつもできます。最近では、年齢に関係なく患者数が増える傾向にあると言われています。
以下、悪性リンパ腫の症状を上げますと、
(1)リンパ節の腫れ (2)原因不明の発熱 (3)ひどい寝汗 (4)体重減少 (5)全身の疲れ (6)全身のかゆみ、発疹、発赤 (7)セキ、息切れ (8)脾臓や胸腺の腫れ
などがあげられます。もっとも代表的な症状は、リンパ節の腫れですが、リンパ節の部位によっては、目に見える腫れがなく、リンパ節の腫れ以外の症状だけが起こる場合もあります。悪性リンパ腫は、リンパ節生検、血液検査、画像検査(CT、MRI、超音波、シンチグラフィティー)など、全身の状態を詳しく調べた上で診断されます。(悪性リンパ腫には、ボジキン病と非ボジキン病に分けられるが、ここではまとめて述べた)。
ご質問の方は、脇のリンパ節の腫れ以外の症状はなにも書かれていませんので、はっきりしません。 いずれにしろ、一度診察を受けることをお勧めします。
回答:小柳乃理子 先生(41丁目メディカル/NY)
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