痔は大変よく見られる病気です。妊娠中、または出産直後の女性のうち8割は痔になっていると言えますし、痔にかかったことのある人は、一般人口の3割と言われています。
足から心臓に向かって血液が循環する時に、通常、血液は主にそけい部と腹部の静脈を通ります。しかし、子供を産む時には腹部の筋肉を使っていきまなければなりませんし、お腹の中の子供も静脈を圧迫します。そのため、足から循環する血液は、普段のルートをとれず回り道をして、肛門周辺の静脈に行きます。しかし、肛門周辺の静脈は細く、余分な血液を通す余裕がないため、うっ血して、痛みを持つようになります。これが痔なのです。また、妊娠中や出産直後の女性に痔が多い他の理由として、妊娠中はお腹の中の子供を育てるため、血液の全体量が増えることも挙げられます。
出産後は血液の全体量が減り、静脈が圧迫されることもないので、通常は、痔の治療をしなくても徐々に良くなります。しかし、便秘の人や、排便時にいきむ人の場合、痔がなかなか治らないことがあります。また、組織が大きく腫れたために、炎症が治まった後でも、その組織が肛門の周りに残り、それを不快に感じる時もあります。
ご質問の中にもありますが、クリームは痔の炎症やかゆみを抑えるのに役立ちます。座浴(1日数回、温かいお湯の中に10〜15分程座る)も肛門の組織を清潔に保ち、うるおいを持たせるので、治癒に役立ちます。
便をいつも軟らかく保ち、排便を楽にするのは、とても大切な事です。それには、食物繊維を多く含む果物や野菜、ブラン(ふすま)などをたくさん取ると良いでしょう。また、水分をたくさん取ると便が軟らかくなり、排便が楽になります。普段の食事で食物繊維を取るのが難しければ、Metamucilのような市販のパウダーを使うと、水と混ぜるだけで、簡単に食物繊維が摂取できます。
一般に、痔は長くても出産後6カ月程で良くなるものです。もし痛みや出血、不快感が長く続くようでしたら医師にかかり、外科手術が必要かどうかの診断を受けた方が良いでしょう。しかし、手術は感染症、傷や痛みが残るといった副作用を起こす場合がありますので、どうしても必要な時以外は、先に挙げたような治療法を続けることをお勧めします。
回答:Dr. Bruce Chung
(シティケア/NY)
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