コミュニティーインフォ
1989年渡米。NYU英語コース、パーソンズスクールオブデザインを経て、現在はフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動中。2002年9月に初の著書となる『笑うニューヨークDELUXE』を講談社文庫より出版。今年5月には第二弾となる『笑うニューヨークDYNAMITES』を上梓し、出版記念サイン会を日本にて行った。 現在、愛犬のシベリアンハスキーの「チョビ」(コミック『動物のお医者さん』好きか?)と二人暮らし。何でも「チョビ」のほうが男の子にモテモテなのが口惜しいとのこと。
<vol.10> 『 シングルズ・パーティー潜入記9 』

「トイレに行ってこようかな……」
 そのまま逃げ出す覚悟で、コンドームニワトリを見上げると「オーもちろんさ!
僕はここでずっと待っててあげるよ」。
 がっくりと首をうなだれて、アイツが水を汲んできたトイレに向かう私。真っ黒に
塗られた階段も壁も、私の今の心境を物語るように暗く薄汚れている。
 トイレの中の壁も床も個室のドアも柱も、何もかもが真っ黒。はー、とため息をつ
きながら用を済ませ、手を洗いながら『アイツはここでビール瓶に水を注いだわけね』
などと、いらぬ想像をしてしまい、さらにいやーな気分になる。
 そしてふと考えた? まさか……Iちゃん、逃げたのではあるまいな……。ジミー
と一緒に? いやまさかそんな……。どす黒い不安が、胸の中に広がっていく(大げ
さ)。
 不安な気持ちでボーと手を洗っていたら、毛の生えた巾着袋に水がかかってへにょ
へにょになっちゃった。ちくしょー。何もかもあのコンドーム男のせいだー。
 おそるおそる階段を上がってみると、踊り場のところで金髪の女性二人を相手に、
コンドームニワトリが大演説をぶっているところに遭遇。やったー。これで逃げられ
る!
 大慌てでIちゃんの姿を探しにフロアに出てみた。が、いない。どこにも。
 どうしようどうしよう。オロオロしながらフロアを半周したところで、ハハハハハ
ハハという恐ろしい笑い声と共に、背後から肩を叩くヤツが……。
 そう、当然ニワトリである。トイレの水入りビール瓶をまだ持っているニワトリが、
そこに立っていた。
 神様。私そんなに悪いことをしたんでしょうか……。
〈約束しましょう、あと2回で最終回!(ほんとか?)ニワトリの運命やいかに!?
Iちゃんの行方は!? 待て! 次号!〉

 


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