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1989年渡米。NYU英語コース、パーソンズスクールオブデザインを経て、現在はフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動中。2002年9月に初の著書となる『笑うニューヨークDELUXE』を講談社文庫より出版。今年5月には第二弾となる『笑うニューヨークDYNAMITES』を上梓し、出版記念サイン会を日本にて行った。 現在、愛犬のシベリアンハスキーの「チョビ」(コミック『動物のお医者さん』好きか?)と二人暮らし。何でも「チョビ」のほうが男の子にモテモテなのが口惜しいとのこと。 |
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| <vol.13> 『
シングルズ・パーティー潜入記12
』
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「さ。何か新しい飲み物を飲みなさい」
なれなれしく肩に手なんか回してきちゃったコンドーム野郎(野郎呼ばわり)。あ
あ……。やっぱり私って生け贄? Iちゃ〜〜んどこ〜〜〜?たすけてよう〜〜。し
くしくしく。
「水にしなさい。水が体に一番いいんだ」
うるさい! お前に指図されたくない! お前みたいにトイレの水なんか飲みたく
ない! よく考えてみたら、ただの好意だったかもしれないんだけど、この場では、
こいつのやることなすこと、全てが憎しみの対象と化していた。しかし人のことなん
か気にしちゃいないニワトリ男。大いばりで水を持ってきた。
「ノルウエーの最高級水だよ」アホか
とにかくお前はなんでもいいから、13個の電話番号のどれかに、その世にもダサい
携帯電話から電話でもかけたらどうなんだ? え? 全部偽番号じゃないのか? 坊
主憎けりゃ袈裟まで憎いとはこのことである。ニワトリコンドームの持っている携帯
電話までが、チョーダサくてチョーブサイクでチョー憎たらしく見えてくる。
それにIちゃんが消えてしまったのも気になる。ホントにどこに行っちゃったんだ。
「なに? 誰を捜しているの? 友達かい? 彼女なら踊ってるよ」
おど……踊ってるって?
「あっちのフロアで彼らと一緒に踊っているよ」
踊っているよ、て、アンタ……それでエエんか? え? アンタが先に声をかけたん
じゃなかったのか? 女はみんんんんなエブリボディーお前についてきたがるんじゃ
なかったのか? それがあっさりフられてジミーに横取りされて、それでエエんか?
「僕のほうを気にしていたみたいなんだけどねえ。彼女ホントにスイートだから、
アイツらのこと断れないみたいなんだ。オーかわいそうに」
カワイソウなのは私なのかお前なのか。なす術もなく、空しくカバンに手をつっこ
んでみたらニワトリの名刺が出てきた。メディカル・コンサルティングと澱んだ赤色
の文字。そして、その下には「Specializing in making medical practices rich」
と書いてある。おい……。医は仁術であるべきじゃなかったのか? 医者はお金のこ
とばっかり考えてるからキライじゃなかったのか? 大体この「Specialist in
Billing /Collections」ちゅうのはなんじゃい。お前は取り立て屋か。
内心悪態をつきながらも、だんだんパワーが落ちていくのを感じる。いわゆる『脱
力』である。この『脱力』は、名刺ウラのBusiness Cards are FREE at Vista Print
で最高潮に。タダ名刺作ってシングルパーティーで配る男・ニワトリコンドーム。
お前はどこから来てどこへ行くのか……。
〈はたしてこの物語に終わりはあるのだろうか? 待て次号! 涙涙の最終回!!
(ホンマか?)〉
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