コミュニティーインフォ
1989年渡米。NYU英語コース、パーソンズスクールオブデザインを経て、現在はフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動中。2002年9月に初の著書となる『笑うニューヨークDELUXE』を講談社文庫より出版。今年5月には第二弾となる『笑うニューヨークDYNAMITES』を上梓し、出版記念サイン会を日本にて行った。 現在、愛犬のシベリアンハスキーの「チョビ」(コミック『動物のお医者さん』好きか?)と二人暮らし。何でも「チョビ」のほうが男の子にモテモテなのが口惜しいとのこと。
<vol.29> 『 ブラインド・デート10 』

ところで、どうして『情熱おじさん』なのかというと、あまりにも自分勝手な情熱
に満ちた人生を送っているため、私の友達に『地中海の情熱フィリップ』と呼ばれた
のが始まり。
 まず、このおじさんはご自分の体内時計に従って人生を送っていらっしゃるため、
人との約束の時間には絶対300%遅れる。しかも遅れることを何とも思っていない。
いや、むしろ「このワタシと会えるキミは何とラッキーなんだ」と思っているとしか
思えない。もちろんごめんなさいなど、口がさけても言わない。しかも、遅れる、と
ひとくちで言うが、この遅れ方が尋常でない。3時間ぐらい遅れるのだ。これはもは
や、「遅れる」の次元を超えているとしか言いようがない。で、遅れて(ていうか、
自分の好きな時に登場して)開口一番のセリフが「しかし君たちはドイツ人なみにヒ
ドいねえ」である。どういう意味かというと、時間通りに行動する几帳面さがまるで
ドイツ人だ、と非難しているのだ。何故。何故約束を守って時間通りに行くと、「ヒ
ドい」呼ばわりされなければならんのか。大体ドイツ人のみなさんに失礼じゃないか。
 そもそも、遅れてきてごめんなさい、の一言はどうした。まさかお母さんのお腹の
中に忘れてきたんではあるまいな。
 と、様々なセリフが、待ちくたびれた私達(大体私とおじさんのアシスタント・ペ
ドロくんの二名)の頭の中で渦巻くのだが、そのどれ一つとして口にできた試しがな
い。あまりにもおじさんが強烈だから。

<強烈って言われてもよくわからん、とお思いでしょうが、それはこれから始まる情熱おじさん物語で、徐々に明かされることに!待て!次号!>


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