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1989年渡米。NYU英語コース、パーソンズスクールオブデザインを経て、現在はフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動中。2002年9月に初の著書となる『笑うニューヨークDELUXE』を講談社文庫より出版。今年5月には第二弾となる『笑うニューヨークDYNAMITES』を上梓し、出版記念サイン会を日本にて行った。 現在、愛犬のシベリアンハスキーの「チョビ」(コミック『動物のお医者さん』好きか?)と二人暮らし。何でも「チョビ」のほうが男の子にモテモテなのが口惜しいとのこと。 |
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| <vol.31>
『
ブラインド・デート12
』
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しかしこのおじさんの真価は、実はアートよりもその料理の才能にある(ヒドい)。
私が、怪しい写真集『ファミリー・アルバム』を「うーむ。うーむううううーむ」
と首をひねりながら見ているうちに、さくさくさくとお野菜を切り、ブワーっとパス
タを茹で上げ、オリーブオイルで材料をジャーっと炒め、あっというまにサラダとナ
チョスとメインディッシュを作り上げてしまう。しかもこれが尋常ならぬウマさ。何
度かおじさんの手料理をごちそうになったが、毎回メニューは斬新だし、どれもこれ
も上級の美味しさなのだ。
常駐しているアシスタント部長(?)ペドロくんと、その他大勢のわけのわからん
連中(おじさんの家には常に誰か見知らぬ人がいる)、そして私が大人しくテーブル
に着いていると、おじさんがナプキンからナイフ、フォーク、スプーンをそろえ、こ
まめにサーブしてくれるのだ。飲み物はペドロくんの担当他の人々は鍋皿洗い担当。
つまり私は何もしないでただそこに座っているだけで、ご飯を食べさせて貰えるの
だ。こうなってくると、一体この中で誰が一番自分勝手なのかわからなくなってくる
が、それはこの際どうでもいいか。
しかしここでもやはりおじさんは、自分勝手料理長ナンバーワンである。なぜなら、
お客たちの誰かが「今日はディナーの約束があるから、あまりたくさん食べ過ぎると
お腹がいっぱいになってしまうなあ」と、おじさんディッシュを目の前に言う。する
とおじさんは片方の眉を高々と上げ、「私の料理は、どの高級レストランよりも上質
で美味である。そんなクソディナーなどどうでもいいから、私の料理をお腹いっぱい
食べて帰りなさい」と言うのだ。
おじさんのお料理は本当に美味しい。味とともに、盛りつけも素晴らしい。それは
認める。しかし、どこのレストランに行くのかも聞かず『クソディナー』呼ばわりし
たり、『私の料理はどこよりも上質で美味』と断言するのはどうかと思うんだけど。
<どこまで行く、情熱おやじ。いい加減飽きてきた? 待て!次号!!>
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