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1989年渡米。NYU英語コース、パーソンズスクールオブデザインを経て、現在はフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動中。2002年9月に初の著書となる『笑うニューヨークDELUXE』を講談社文庫より出版。今年5月には第二弾となる『笑うニューヨークDYNAMITES』を上梓し、出版記念サイン会を日本にて行った。 現在、愛犬のシベリアンハスキーの「チョビ」(コミック『動物のお医者さん』好きか?)と二人暮らし。何でも「チョビ」のほうが男の子にモテモテなのが口惜しいとのこと。 |
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| <vol.32>
『
ブラインド・デート13
』
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情熱おじさんは、色んなもののコレクターでもある。とあるお食事の時、大きな箱
を持ってきて見せてくれながら言った。
「このナプキンホルダーは、とても値段がつけられない芸術作品なのだ」。
平たい箱の中は、小さい仕切りがたくさんついていて、その一つ一つの中に色々な
形のナプキンホルダーが入っていた。その中の一つを手にとって見ると、繊細な彫刻
がほどこされた美しい金細工で、取り落としたら粉々に割れるんじゃないかと思うほ
ど美しく繊細である。なるほど、こりゃすごいわ。と感心。
「これを見なさい」
仕切りの中の一つから編み込みのようなデザインになっているものを取り出して見
せてくれるおじさん。でもこれはナプキンホルダーじゃないみたいだけど?
「これもナプキンホルダーだったのだ。しかしバカな女が壊したのだ」
バカな女が。
「私と会食中、彼女はずっとこのナプキンホルダーをいじっていたのだ。そして最
後にはこんな風に壊してしまった」
なるほど。三つに割れたピースをつなぎ合わせると、籠のような編み目のついた丸
い輪になる。細い金を編み込んだ筒状になっているため、手でいじっているとぐにゃ
りと楕円形になったりぺちゃんこに潰したりできるけれど、あんまりそれをやりすぎ
たせいで壊れてしまったんだな。
「それはヒドい目に遭いましたね。素晴らしいものなのに、もったいない」
「まあ仕方がないね。彼女の気持ちもわからなくもないよ」
はあ……そうなんですか……?
「彼女はワタシのことを愛していたのでね」
………………は、え?
「ワタシの顔を間近に見る緊張感に耐えかねていたんだよ」
………………ええーと。
「それにワタシは彼女に全然興味がなかったのでね。全く罪なことをしてしまった」
………………は、もう、ホントにおっしゃる通りで、あの、じゃ、私はこの辺で失
礼いたしますごちそうさまでしたはい。
「キミぐらいだね、私の前で緊張しないのは」
いえもうそりゃむちゃくちゃ緊張させていただいておりますですはいすみません。
<こんなヤツ本当にいるのか状態のおやじ。ああ。写真載せたい。待て、次号!>
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