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1989年渡米。NYU英語コース、パーソンズスクールオブデザインを経て、現在はフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動中。2002年9月に初の著書となる『笑うニューヨークDELUXE』を講談社文庫より出版。今年5月には第二弾となる『笑うニューヨークDYNAMITES』を上梓し、出版記念サイン会を日本にて行った。 現在、愛犬のシベリアンハスキーの「チョビ」(コミック『動物のお医者さん』好きか?)と二人暮らし。何でも「チョビ」のほうが男の子にモテモテなのが口惜しいとのこと。 |
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| <vol.34>
『
ブラインド・デート15
』
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情熱オヤジの家の前で待っていたおじさんは、ジェイコブさんという聖書のような
名前のおじさん。情熱オヤジの自宅改装に雇われた、クイーンズに住むブラジル人の
大工さんである。オヤジによると「コイツには勿体ないぐらいチョーキレイな奥さん
がいる」らしい。「死ぬほどキレイだが、無茶苦茶気が強い女だ。ワタシなら泣いて
頼まれてもあんなワイフはごめんだね」と言っていたが、誰もアンタに泣いてまで頼
まないんじゃないか(とは口が裂けても言えない)。
ジェイコブさんは、あまり英語が上手じゃないけれどとっても優しくて感じが良い。
にこにこと梯子を片手に一生懸命話しかけてくれる。
「今日はフィリップとデート?」
「いやー……それが、まあ、なんていうか、ホームデポーまでのドライバーとして
雇われたというか……」
こんなにいい人に『今日はオヤジの生態観察です』とはさすがに言えない。
「オー。ホームデポーならワタシも行くんだよ」
そうかあ。ジェイコブおじさんが一緒なら、安心だ(なんとなく)。
しかしそれにつけてもあのオヤジ。人を呼びつけておいて一体全体どこに行ってし
まったんだろう。ジェイコブさんは、こんなフィリップさんの仕打ちに慣れっこなの
か、鼻歌なんか歌いながらのんびり待っている。どうもあのオヤジの周りには、ペド
ロくんといいジェイコブさんといい、我慢強くて気の良い人間が集まるようだ(とい
うより、そんな人じゃないと保たない)。そうこうしてるうちに、もう1時半だよ。
何を考えてるんだ情熱オヤジ。のどかに空を見上げているジェイコブさんの隣でそろ
そろキレそうになった頃、石畳の通りのむこうに怪しい人影が見えた。この人影を見
た瞬間、思いましたね。
『アレがフィリップさんだったら10円あげるよ』
誰に10円あげるのかという問題はさておいて、この時のフィリップさんの服装が…
…。この世のものとは思えないような……。うう……。
<年末だというのにこの終わり方。年を越すほどの結末なんだろうか?待て、次号!
(良いお年を〜)>
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