コミュニティーインフォ
1989年渡米。NYU英語コース、パーソンズスクールオブデザインを経て、現在はフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動中。2002年9月に初の著書となる『笑うニューヨークDELUXE』を講談社文庫より出版。今年5月には第二弾となる『笑うニューヨークDYNAMITES』を上梓し、出版記念サイン会を日本にて行った。 現在、愛犬のシベリアンハスキーの「チョビ」(コミック『動物のお医者さん』好きか?)と二人暮らし。何でも「チョビ」のほうが男の子にモテモテなのが口惜しいとのこと。
<vol.42> 『ブラインド・デート<もっとすごいヤツ6>』

 巨大なグラスに注がれたクランベリージュースでリンコのお腹はすでにダボンダボン。トイレに立って戻ってくると、隣に座っていた救いの神(役に立たなかったけど)青年二人組が去り、Gが彼らのスツールをゲットしていた。
 これでさらに長っ尻になるのか・・・とがっかりしたが、ほどなくGが立ち上がり
「さ。食事に行こうか」と言い出した。実のところお腹はぺこぺこだったが、タバコの煙とGの蝋燭遊びで気持ち悪くなっていたし、そもそも少し風邪気味だったせいもあって体も心もダルダル。お腹もダボンダボンだし、食欲なんかすっかり失せ、ただひたすら家に帰りたかった私は、遠慮がちにこう言ってみた。
 「ちょっと風邪気味で具合があまり良くないので、今日は……」
 「オウー。風邪気味なのか可哀想に。どれ、ボクが診察してあげよう」
 ニコーっとG得意の笑顔を見て咄嗟に脳裏に浮かんだ言葉は『お医者さんごっこ』。
 「いえ結構ですっ!!」
 と言うか言わないかの瞬間、Gの手がのど元にのびてきた(コワい)。大きな骨太の手がリンコのクビにぐるりと巻き付き(コワいようー)、両耳の下に指が触れる。固まってGの顔を見ていると、数百分の一秒ぐらいの瞬間Gが本物の医者らしい表情を見せた。
 『そうか。こいつは内科医だったっけか』と考えながら思わず生唾をゴクリと飲んでドクターGの診たてを待っていると、Gがこう言った。
 「うーん。たしかにちょっとだけ腫れてるかな……。でも大丈夫大丈夫。ボクと食事すればすっかり良くなるよ」
 そんな無責任な医者とも思えん言葉を口にしながらも、クビに巻き付いた手が離れないのはなぜ。
 「ウーン……キミのクビ、細くて可愛いねええ?……フウーン」
〈ブキミな鼻声を出しながら、リンコのクビをナデるG。どうして我慢するんだリンコ!立て!立つんだリンコ! 待て、次号!〉

 

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