コミュニティーインフォ
1989年渡米。NYU英語コース、パーソンズスクールオブデザインを経て、現在はフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動中。2002年9月に初の著書となる『笑うニューヨークDELUXE』を講談社文庫より出版。今年5月には第二弾となる『笑うニューヨークDYNAMITES』を上梓し、出版記念サイン会を日本にて行った。 現在、愛犬のシベリアンハスキーの「チョビ」(コミック『動物のお医者さん』好きか?)と二人暮らし。何でも「チョビ」のほうが男の子にモテモテなのが口惜しいとのこと。
<vol.43> 『ブラインド・デート<もっとすごいヤツ7>』

 クビのまわりに巻き付いたGの骨太な手首をグっと掴み、無理矢理はがしながら
 「ね熱があるでしょ?ね?」と言うと
 「可哀想にベイビー」
 げえ。ベイビーとか言われた。気色悪いよ。
 「だから今日はもう……」
 「ディナーの後はボーリングに行こうか?」
 ボ……。
 「いくつ?」
 この会話の成り行きから、まさか紅茶に入れる角砂糖の数を訊いているとはとても思えなかったが、なにがいくつなのかさっぱり訳がわからん。
 「なにが?」
 「ボーリングのハイスコアに決まってるじゃないか」
 ……ハイスコアね。は。ハイスコア。
 「さ、さあ……ちょっと覚えてない……し、それにだからさっきから言ってるように、風邪気味で食欲もないし、今日はそろそろ帰ろうかと……」
 「じゃっディナーに行こう!」
 人の話なんか聞いちゃいないGが、ぐわたーっと立ち上がる。私はというと、巨大Gに左肘をガシィっと掴まれてどうにもこうにもならない。自分の筋肉ぶりを誇示しているつもりなのか、私の腕が彼の腕に触れると瞬間的にグっと力をいれて力こぶを作っている様子がものすごくブキミである。
 ずるずるずると身も心もひきずられ(すごい表現)、一応おしゃれ風なバーを出たところでGがさあっと手を上げ、またタクシーを停めた。どうせまたセカンドアベニューをまっすぐ下れとかなんとかわけのわからんこと言うんだろうな、きっと。
 「ソーホー」
 お。地名が出たよ。やるじゃんG。
<あまりの事の成り行きに、くだらないことにまで感心してしまうリンコ。目を覚ま
せ。目を覚ますんだリンコ。待て、次号!>


 

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