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1989年渡米。NYU英語コース、パーソンズスクールオブデザインを経て、現在はフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動中。2002年9月に初の著書となる『笑うニューヨークDELUXE』を講談社文庫より出版。今年5月には第二弾となる『笑うニューヨークDYNAMITES』を上梓し、出版記念サイン会を日本にて行った。 現在、愛犬のシベリアンハスキーの「チョビ」(コミック『動物のお医者さん』好きか?)と二人暮らし。何でも「チョビ」のほうが男の子にモテモテなのが口惜しいとのこと。 |
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| <vol.44> 『ブラインド・デート<もっとすごいヤツ8>』 |
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ゴーっとブロードウェイをひた走るタクシー。気のせいか、車内がどよよーんとした雰囲気に包まれている。何なんだこのヤな雰囲気は。
「オシッコー」
……今だれかなにか言ったか?
「オシッコー」
となりに座っている黒のタートルネックを着たケダモノGが、じーっと私の顔を見つめている。
「オシッコー」
「あの。すいません。もしかして、トイレに行きたいと言いたいんでしょうか?」
「イエース」
だったらトイレに行きたいと始めから言わんか。そもそもさっきのバーで行けばよかったじゃないかっばかっ。大体一体全体誰がこんなくだらない日本語をこの男に教えたんだ。不愉快じゃないかっ。
「ソーホーまですぐなんだから我慢すれば?」
「我慢できない」
6歳のガキかお前は。
「あと数ブロックでボクの家なんだけど」
……なるほど。そう来たか。トイレで女を部屋に連れ込もうとするとは。
「じゃ、車の中で待ってるからさっと上がってトイレに行ってくれば?」
「オウー……」
幼稚な作戦が失敗したからってしょげた顔するなっ!たわけっ!
「じゃレストランまで我慢する」
当たり前じゃっ。
風邪気味で体力がないところに、タバコの煙は吸わされるわジャケットの上に座らされるわ_燭遊びを見せつけられるわで、いい加減参っていたところにこの『オシッコー』攻撃。疲れを通り越してだんだん凶暴な気分になってきた。どうしてくれるんだこの始末。
イライラしながら窓の外を見てGを無視していると、ほどなく車がとまった。石畳の通りに降り立つと、目の前にあったのはソーホーのお洒落焼き肉レストラン『ウーレイオク(又来屋)』だった。
〈やっとキレはじめたリンコ。果たして焼き肉屋でのリベンジ成るか!?待て、次号!〉
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