| A:キミの気持ちはよくわかるけどね。でも、つまんねぇプライドなんて、持ってたところでクソの役にも立ちゃしないって。オレなんか、この不況でベンツもムスタングも手放しちゃって、残ってるのは会社の営業車だけ。
なんて、そういうオレもつい最近まで、キミと同じだった。やっぱ、プライドがあるじゃない。人より良く見られたいとかさ。たとえば、アニメグッズを売るにしても、1個2〜3ドルの商品を、社長のオレがわざわざ販売店に電話して、「何個ですか? じゃあ500ドルです。では、何日までに納品します」なんて、いまさらバカバカしくてできるか。そんなことに自分の時間を使えない、ってね。
でも、テロですべてを失って、そんなプライドは全部吹っ飛んだ。無くなってみたら、肩の荷が降りたみたいに、めちゃくちゃラクなんだよね。バカらしいと思ってた小口の注文取りも、自分でやってみたら楽しいんだよコレが! この間もオクラホマの小さいショップに電話したら、田舎訛りのオネーチャンが出てさ。そのオネーチャンと、たれパンダがどうしたとか、真剣に話しちゃいました。ちょっと偉くなっちゃうと、現場から上がってくる報告を受けるだけでしょ。そんなの真実かどうかわかんないじゃない。現場で直接たくさんの人と会って話すことで、ノウハウが蓄積されていくんです。それが全部自分の力になるんだ。
昔の自分はそうしてきたんだよね。それを忘れてた。今までの“プライド”なんて、一体何だったんだと思うよ。失くしたおかげで、原点に戻れたんだ。いまはギラギラしてた創業当時に戻ったみたいで、気力が漲ってる。失ってはじめて見えてくるものだってあるんだよ。(初出:週刊SPA!)
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