| まあ、持ってたほうがいいか、持ってないほうがいいかと言われれば、取れるお金と時間があるんだったら、取ればいいんじゃない。ビジネスをしていく上で、多少のプラスにはなるでしょう。ただね、MBAを取ることを目的にしちゃダメです。持っていれば就職や出世に有利だろう、なんていう考えだとしたら、やめたほうがいい。
実を言うと、僕も大学を卒業したら、すぐにMBAを取ろうと思ってたんです。でも、アメリカの大学のMBAっていうのは、職務経験が三年以上ないとダメっていうのが、けっこうあるんです。僕が通っていた大学もそうでした。なんだそれは、ってそのときは思いましたよ。
実務の延長線上で、言葉で武装するために取るんならいいんです。仕事をするようになってから、そのことに気づきました。実務を知らないのにMBAを取ったって、それはただの学問にしかならないじゃない。自分の仕事に対して、いま勉強すれば、もっと伸びるだろうな、と思うんだったら取ればいい。ちなみに、いまの僕にMBAが必要かっていったら、いらない。だって、MBAで学べる以上の勉強をいまさせられているもん。
それにしても、いま人はみんな慎重だよね。知識で自分を武装したがる。賢すぎるんだよ。もし僕がいま、「成功の秘訣は?」って聞かれたら、「バカだったから」と答えます。若いころ、相手の社長と強引に会って、契約を取ったりなんてことも、無知じゃなきゃできなかった。いま、考えると恐ろしいよね。でもあのとき、僕が少しでも賢かったら、怖くて動けなかったと思うんです。無知で当然なんだよ、ガキなんだから。慎重になるのは歳とってからでいい。MBAもいいけど、バカの効用もあるんだよ。 (初出:週刊SPA!)
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