| 学校では落ちこぼれても、世間の荒波に揉まれて賢く生きる術を身につけたヤツのことを、僕は「ストリート・スマート」と呼んでいます。ただ基本的に1匹狼で生きてるから、協調性に乏しいのが弱点なんです。扱いづらいと思うよ、特に、勉強のできる「アカデミック・スマート」な上司にとってはね。ある企業の社長に聞いたんだけど、彼の会社でも最近、ストリート・スマートタイプの社員が、学歴の高い上司と衝突して何人かクビになってるんだって。ストリート・スマート代表を自負する僕にとっては、すごく悲しかったよ。
でも、キミは上司を責めるべきじゃない。上司に企画を通せなかった自分を責めるべきなんだ。僕は新入社員が来ると、必ずこう言います。「もしキミたちが出した企画を上司に却下されても、『この会社はなにもさせてくれない』と思っちゃダメ。企画を通せなかった自分にこそ腹を立てろ」って。上司を口説くところから、ビジネスは始まっているんだよ。
偉そうにいってるけど、僕もたまにストリート育ちの弱点がポロッと出ちゃう。へんに我を張ったりしてね。そんなとき、高校生時代に寿司屋でバイトしていたころを思い出すんだ。長く続けたかったんだけど、店にはツッパリが大嫌いなおかみさんがいたの。必死で好かれる努力をしたよ。自分が悪くなくても、「僕の責任です」と謝った。必要とあらば、自分を押し殺し、相手をなだめすかしても生き抜いていく。あれは、いい経験だったなぁ。
上司を説得するには、まず愛される努力をしてみなよ。たとえ自分を曲げてもね。我を張ってたら、一歩も前に進めないじゃん。どんなことをしても前に進むのが、本当のストリート・スマートでしょ。前向きに生きる。これだけだよ。(初出:週刊SPA!)
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